タスマニアで一番人気!?のホテル
タスマニアでもトップクラスの人気を誇るクレイドルマウンテン。
そのクレイドルマウンテンでの宿泊施設として人気のクレイドルマウンテンロッジは、夏のハイシーズンでは予約がとても取りづらい場所としても有名です。
なぜそんなに人気があるのか?
人気の秘密は立地の素晴らしさ。
世界遺産地域クレイドルマウンテン・レイクセントクレア国立公園のクレイドルマウンテン側の国立公園入口の真横にこのロッジは建っています。
ロッジ敷地内と道路の反対側にトレッキングコースがあり、朝夕は敷地内外にワラビーやウォンバットなどが出没して宿泊客を楽しませてくれます。
広大な敷地内に点在するキャビン
ロッジはレセプションやレストランなどがはいる母屋と広大な800エーカーの敷地内に点在する宿泊キャビンからなります。
キャビンは100近くあり、シャワーのみの部屋やスパバスのついたもの、バルコニーが付いたものやファミリー用の大きなキャビンなどがあります。
クレイドルマウンテンロッジの歴史
ペンシルパインロッジ
1970年、アレック・エリス(Alec Ellis)とオシー・エリス(Ossie Ellis)の2人の兄弟は、マーカス・ダンスタン(Marcus Dunstan)とリチャード・ラドル(Richard Ruddle)と共に、クレイドルマウンテン・レイクセントクレア国立公園の境界に800エーカーの広大な土地を獲得しました。ちなみに800エーカーとは東京ドーム約65個分になります。ここで彼らは主にブッシュウォーカーや釣り人たちのための、宿泊施設と食事を提供するロッジの建設を開始しました。
1971年、開業した2階建てのロッジには、1階部分に大きな暖炉のあるダイニングルーム、キッチン、バーが、2階部分には7つの客室と2つのバスルームがありました。
このロッジはペンシルパインロッジと名付けられ、開業後すぐに人気の宿泊施設となりました。
しばらくすると母屋だけでは客室が足りなくなり、母屋の周りにそれぞれ「カラウォン(Currawong)」「ファガス(Fagus)」「ハケア(Hakea)」「リチア(Richea)」「バウエラ(Bauera)」とタスマニア固有の動植物の名前が付けられた5つの独立した宿泊キャビンが追加建設されました。
1972年末までには、スタッフのためのキャビン「グリーンハウス(“The Greenhouse”)」も完成しました。
クレイドルマウンテンロッジへの改名
1984年、ペンシルパインロッジはオーストラリア本土の若い熱心なカップルのサイモン・カラント(Simon Currant)とアン・カラント(Anne Currant)に買収されました。
サイモンとアンはオリジナルのペンシルパインロッジの素朴な魅力を損なうことなく、30の宿泊キャビンの追加、ラウンジ、バー、ダイニング施設のアップグレード行いました。
更にロッジの名称を「クレイドルマウンテンロッジ」に改め、「ペンシルパイン」という名称はそれぞれの宿泊キャビンの呼び名として残されました。
サイモン・カラントは観光開発者としてクレイドルマウンテンロッジの他にもストローンビレッジ、ペパーミントベイホテル、ポンプハウスポイントホテルなどの開発を手掛け、現在(2020年)はタスマニア州観光局の理事およびTT-Line Pty Ltd.の理事を務めています。
P&O社時代
1988年4月、クレードルマウンテンロッジはP&Oオーストラリアリゾーツ( P&O Australian Resorts)に買収され、施設は大幅な拡張と改修を受けました。
ボヤージュホテルズアンドリゾーツ時代
2004年、経営難に陥っていたP&O社はオーストラリアのリゾート観光事業から手を引くこととなり、クレイドルマウンテンロッジをはじめとしてすべてのオーストラリアで保有していたリゾート施設を売却しました。
クレイドルマウンテンロッジはボヤージュホテルズアンドリゾーツ( Voyages Hotels and Resorts )が保管人となり、その間も国立公園管理局と協力して、クレイドルエリアの貴重な動植物を守りながらさまざまなトラックをアップグレードしていきました。
ペッパーズ・リトリート、リゾート、およびホテル時代
2012年、クレイドルマウンテンロッジは、ペッパーズ・リトリート、リゾート、およびホテル( Peppers|Retreats, Resorts and Hotels)の所有となり現在(2020年)に至っています。
最後に
「世界で最も貴重な場所の1つ」として世界中から観光客が訪れているクレイドルマウンテン。
その宿泊施設として所有者はかわれど、クレイドルマウンテンロッジは一度は泊まってみたいホテルのひとつとしてこれからも続いて行くでしょう。