オーストラリアやタスマニアへ旅行するとペンギン観察ツアーがあります。一体どんなペンギンなのか?
今回はそんなオーストラリア大陸・タスマニア島で見られるペンギンについての記事です。
どんなペンギン?
現在、世界には17種類(数え方によっては18種類、もしくは19種類)のペンギンが生息しています。そのすべてのペンギンは南半球でしかみることができません。
オーストラリアでペンギンというとメルボルンから出ているフィリップ島ペンギンツアーで観察できるペンギンが一番有名です。
タスマニアで見られるペンギンもフィリップ島で見られるペンギンと同一種になります。
ペンギンの種類はリトルペンギン(Little Penguin)と呼ばれるペンギンです。和名はコガタペンギン。学名はEudyptula minor。
リトルペンギンには呼ばれ方がいくつかあって、体毛が青いのでブルーペンギン(Blue Penguin)やリトルブルーペンギン(Little Blue Penguin)と呼ばれることもあります。オーストラリアではフェアリーペンギン(Fairy Pneguin)と呼ばれることもありますが最近ではこの呼び方は少なくなってきています。
リトルペンギンの生息地域
リトルペンギンの生息地域はニュージーランドの海岸線全域とオーストラリア大陸南部の海岸線およびタスマニアの海岸線になります。
南米チリや南アフリカでの目撃例もあるようですが、一時的に滞在したものだろうといわれています。因みに南米にはフンボルトペンギンとマゼランペンギン、南アフリカにはケープペンギン(アフリカペンギン)が生息しています。
リトルペンギンは世界最小のペンギン
リトルペンギンは名前の通り小型のペンギンです。体高が30cm~33cm、体重が約1kg~1.5㎏しかない世界最小ペンギンです。
リトルペンギンの一日
リトルペンギンは一日のほとんどを海上で生活している昼行性のペンギンです。明け方、陽が昇る前に海へ行き、日中は海上で餌をとり、夕方、陽が沈むと海から陸に上がってきます。
彼らはとても臆病で、明るいうちには決して陸に上がってきません。陽が沈んでからそれぞれが小さなパーティーを組んで、途中何度も立ち止まりながら、自分たちの巣へと帰っていきます。
隊列を組んで行進するような歩き方から、ペンギンパレードとも呼ばれて各地で観光客を楽しませてくれています。
小さな巨人リトルペンギン
リトルペンギンの遊泳能力
リトルペンギンの遊泳能力は高く、平均して時速2~4 km/hで泳ぐことができます。時速6.4 km/hで泳いだという記録もあります。
しかも毎日平均して15 km~50 kmの距離を泳いでいます。
リトルペンギンの潜水能力
リトルペンギンが魚を捕るために水中へ潜る平均深度は5~20メートルです。記録された最も深いダイブはなんと72メートルです。
身長30 cmのペンギンが72メートルの深さまでダイビングということは身長の240倍の深さです。身長170 cmの人間だったら水深400メートル以上潜ることに相当しています。
因みに人間のダイビング世界記録。
スキューバダイビングではエジプト人ダイバーが2014年9月18日に記録した水深332.35 m。
フリーダイビングではニュージーランド人が2016年4月30日に記録した水深122 m。
メスが強いぞ!リトルペンギン
毎年6月~8月になるとオスペンギンは頻繁に浜辺へ戻ってくるようになります。子育てのための巣穴作りです。
オスペンギンは新しく巣穴を掘るか、今までの巣穴のリノベーションをおこないます。巣穴の出来栄えの良し悪しがカップリングに影響します。
オスペンギンは自分のパートナーとなるメスペンギンを巣穴にに連れていきます。もし彼女がが巣穴を気に入ればカップル成立、気に入らなければカップル不成立。オスペンギンは巣のリノベーション工事をやりなおさなければなりません。
リトルペンギンの繁殖
リトルペンギンの繁殖時期は年によってかわってきます。一般的に春から夏にかけての餌が豊富な時期が繁殖に適しています。
無事にカップリングが成立するとメスペンギンは1つ~2つの卵を産みます。オスとメスは交互に卵を温めあい、温めていない方が日中海へ行って餌をとります。
卵の孵化には最長で36日間。雛は通常7~8週間で巣立ちしていきます。
ペンギン観察の時期
ベストシーズン
子育て中、親ペンギンは早朝に海へ出て行って餌をとり夕方巣に帰ってきます。親ペンギンたちが帰るころになるとお腹を空かせた雛ペンギンたちが巣からでてきて大声で鳴いています。みんな少しでも早くご飯を食べたくて必死です。
この子育てシーズンが一番ペンギンたちが浜辺に戻ってくる時期になります。
上述したように繁殖時期は年によってばらつきがあるのですが、だいたい9月頃から1月頃がタスマニアではペンギン観察に最も適した時期といわれています。
セカンドベストシーズン
6月~8月にかけてはオスペンギンが巣穴づくりに戻ってきます。この時期は子育てシーズンほどではないですが多くのペンギンを見ることができるでしょう。
それ以外の時期
子育て時期や巣穴づくりではない期間、リトルペンギンはほとんどの時間を海上で過ごしています。陸へ戻ってくるのは休憩するときか巣穴の補修するときだけになります。
その時期にペンギン観察をしに行くと子育てシーズン中のような大量のリトルペンギンたちが海から戻ってくるという光景にはお目にかかれません。それでもゼロということはなく海上生活に疲れたペンギンたちが戻ってくるのを数羽ぐらい観察することができるでしょう。