ローンセストン市は人口約67,000人。周辺地域を合わせれば約110,000人。タスマニア第2の都市であり北部タスマニアの中心的役割を担っている街です。
ノースエスクリバー(North Esk River)とサウスエスクリバー(South Esk River)という二つの河川はローンセストンで合流してテーマーリバー(Tamar River)と名前を変えてバス海峡(Bass Strait)まで流れていきます。
昔から州都ホバートが行政の中心であったのに対し、ローンセストンとその周辺は豊富な水資源を活用した農業地域としての中核的役割を担ってきました。
この記事では豊かな農業地帯に囲まれたローンセストン周辺地域のおすすめ観光スポットを紹介していきます。
カタラクト渓谷

ローンセストンの街の中心からテーマー川沿いの遊歩道を歩いてわずか15分。1867年に架けられたキングス・ブリッジ(Kings Bridge)からノース・エスクリバー沿いにカタラクト遊歩道(Cataract Walk)が続いています。この遊歩道は1898年代に整備されました。
舗装された歩きやすいカタラクト遊歩道を20分程歩いて行くと、ファースト・ベイスン(第一盆地/First Basin)と呼ばれる開けた場所に出ます。カフェやレストン、チェアリフト、遊歩道やプールが整備されていて、水鳥やクジャク、朝夕には野生のワラビーも出てきて訪れる人を楽しませてくれます。
街のすぐ隣にあるのに山奥のような雰囲気を持つカタラクト渓谷(Cataract Gorge)は昔から現在まずっとローンセストンの人々の憩いの場所になっています。
市内探索に疲れた午後にぶらりと散歩で訪れてみたり、早朝や夕方に市内のホテルからジョギングなんていうのもいいかもしれません。
ブリッドストゥ ラベンダーエステート


南半球最大の商業用ラベンダーファームのブリッドストゥラベンダーエステート(Bridestowe Lavender Estate)。ローンセストンからはタスマニア北東部ののどかな牧草地帯を車を走らせて一時間弱で到着できます。
紫色に染まった最盛期のラベンダー畑は一見の価値あり。最盛期はクリスマス前後から1月いっぱい頃まで。その期間を過ぎるとお花の収穫が始まってしまいます。収穫されたラベンダのお花はラベンダーオイルとドライフラワーになり出荷されていきます。
一年中オープンしていますが、花の咲く夏の最盛期シーズンは入場料がかかります。
詳しくは https://bridestowelavender.com.au/ をご確認ください。
トロワナ野生動物保護園



1979年よりタスマニア野生動物の保護と展示を行っているトロワナ野生動物保護園(Trowunna Wildlife Sanctuary)。現在、絶滅危惧種のタスマニアン・デビルの保護・繁殖させている頭数は世界一になっています。
タスマニア・デビルをはじめとしてウォンバットやクウォルなどの有袋類やフクロウやウェッジテールイーグルなどの鳥類なども展示されています。
他にも園内にはカンガルーとワラビーが放し飼いされており、手から直接餌を与えることもできます。
トロワナ野生動物保護園のサイトは http://trowunna.com.au/ 。
マラクーパ鍾乳洞とキングソロモン鍾乳洞
モールクリーク・カルスト国立公園(Molecreek Karst National Park)内には300以上の洞窟があります。そのうち一般公開されている鍾乳洞がマラクーパ鍾乳洞(Marakoopa Cave)とキングソロモン鍾乳洞(King Solomons Cave)です。
マラクーパ鍾乳洞は、グローワーム(Glow worms/土ボタル)と呼ばれるヒカリキノコバエの幼虫が洞窟の天井いっぱいに、まるで星空のように青白く発光している幻想的な洞窟です。
キングソロモン鍾乳洞は、マラクーパ鍾乳洞から車で10分ほど離れたところにあり、グローワームはいませんが鍾乳石の美しさではマラクーパ鍾乳洞以上の洞窟です。
シェフィールド

壁画の街(Town of Murals)として観光客が年々増えているのがシェフィールド(Sheffiled)です。
1986年に最初の一枚が描かれてから140枚以上の大きな壁絵が、毎年20万人以上の観光客の目を楽しませてくれています。
ローンセストンやデボンポートからクレイドルマウンテンへ行く途中にあるので、休憩ついでに街を散策という寄り方がいいかもしれません。
クレイドルマウンテン

タスマニア観光のハイライト、クレイドルマウンテン。クレイドルマウンテンを見ずしてタスマニアを語るなかれ、なんてことわざはありませんが、毎年多くのツーリストが訪れているのがクレイドルマウンテンです。このブログでもいくつかの記事があります。クレイドルマウンテンについてはそちらの記事を参考にして下さい。
ロス



ホバートから1時間半、ローンセストンからは1時間のドライブで行けるのがタスマニア羊毛産業の中心地帯にあるロス(Ross)の村です。ホバートとローンセストンのほぼ中間地点に位置するロスはローカル、ツーリストにかかわらず多くの人がひと休みしていく村になっています。
ここにあるロスのパン屋さん(Ross Village Bakery)は、”魔女の宅急便”の主人公キキが下宿をしていたパン屋さんのモデルになった場所だ、との噂があります。噂の真贋はさておき、日本人をはじめとしてアジア系やアニメファンのヨーロッパ系の観光客が多く訪れているお店です。アニメファンでなくても、ここのパン屋さんは昔ながらの薪ストーブオーブンで今もパンやデザートを焼いています。名物のバニラスライスをほおばりながらモーニング or アフタヌーンティーなんていかがですか。
他にもオーストラリアで三番目に古い石橋(Ross Bridge/1836年)や羊毛資料館(Tasmania Wool Centre)、砂岩で建てられた歴史的建造物などがツーリストの目をたのしませてくれます。
ワイングラスベイ展望台とフレシネ国立公園

ワイングラスベイ展望台(Wineglass Bay Lookout)はローンセストンからもホバートからも日帰りで行ける場所です。ワイングラスベイ駐車場から約30分、小高い岩山を登った先には 白い砂浜と青い海の対比が美しいワイングラスベイを見下ろす展望デッキがあります。この景色を見れば多少の苦労は報われるというもの。
他にもフレシネ国立公園内にはツアービル岬(Cape Tourville)やフレンドリービーチ(Friendly beaches)など、美しいタスマニア東海岸を堪能できること間違いなし。