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1ページ目:タスマニアデビルの一般情報
2ページ目(このページ):タスマニアデビルの生態
3ページ目:タスマニアデビルの妊娠・出産・子育てそして絶滅危惧問題
タスマニアデビルの生態
狩人であり森の掃除屋さん
タスマニアデビルは肉食ですから獲物を狩ることができます。
僕らは小さなカンガルーぐらいだったら襲って食べちゃうよ。
ヒェッ!!
大好物なのが高脂肪なウォンバット。考えたらよだれが出ちゃうよ。
ヒェッ!ヒェッ!!ヒェッ!!!
そっと後ろから近づいていって大きく口を開けてガブっと噛みついて相手を殺してしまいます。
ただ狩りをするのは滅茶苦茶お腹が空いていて、しかも他に食べ物が見つけられなかった時。
普段は何らかの原因で死んでしまった動物の腐肉や病気やケガで弱った動物を捕食しています。
タスマニアデビルがいれば森の中の死体がきれいに片付いてしまいます。
いわば森の掃除屋さんです。
僕らがいれば森の中はいつでも清潔。死体処理ならおまかせだよ!
強力な顎の力でバリバリと骨まで噛み砕く
タスマニアデビルが狩りをするよりも腐肉を食べていると書きました。
腐肉ですからあまりお肉の部分が残ってないかもしれません。
ですので彼らは見つけた食事を無駄にすることなく毛皮から骨まですべて噛み砕いて食べてしまいます。
顎は約80度まで開くことができ、噛む力(咬合力/こうごうりょく)は非常に強力で体のサイズとの比では現存する肉食哺乳類の中では一番の強さを誇っています。
僕らの口元に手を出したら絶対に駄目だよ。指を噛みちぎっちゃうかもね。
この強力な顎の力は、体に比べてちょっとアンバランスな大きな頭と首から生み出されます。
オスの成獣では体重の約4分の1が頭の重さです。
デビルたちのヨタヨタした走り方はこの大きな頭に起因しています。
頭が大きいっていわれるとちょっと腹立つなぁ。
とっても食いしん坊
タスマニアデビルは好き嫌いなく何でも食べます。
カンガルー、ワラビー、ポッサム、ウォンバットなどの在来哺乳類に加え牛や羊などの家畜類、鳥、魚、果物、野菜、昆虫、オタマジャクシ、カエルなどの両生類やトカゲなどの爬虫類等々入手可能なものであれば貪欲に食べていきます。
好き嫌いなく何でもいっぱい食べるよ!!
タスマニアデビルは毎日平均して体重の15%の量の食事をとります。
最大では体重の40%の量の食事を30分でとることもできます。
これってあなたの体重が60㎏としたら24㎏のステーキを30分で平らげるってことになります。
僕たちが20匹いると牛一頭を一晩でペロリと食べちゃうよ。もちろん骨も皮も残さないよ。一度テレビの大食い王に挑戦してみたいね。
タスマニアデビルは食べた脂肪を尻尾の付け根に貯めておくことができます。しばらく食べ物が見つからなくても平気です。
餌をさがして一晩中ウロウロ
タスマニアデビルは食べ物をさがして夜の間中、森の中をさまよっています。
毎晩だいたい平均して9 km弱の距離を移動していますが、一晩で50kmを移動した例もあります。
それだけ歩いてもめぼしい獲物にありつけない日もありますが、尻尾の付け根に蓄えられた脂肪を使ってしばらくは食べ物がなくても大丈夫です。
実はスポーツマン!?
タスマニアデビルの見かけはずんぐりむっくりで鈍くさそうな感じですよね。
でも短距離ですけど時速13km/hのスピードで走ることができます。
更には時速25 km/hで1.5 km走ったとの報告もあります。
ヨタヨタ走っているように見えて、本気を出せばやれる子なんだよ。
また若いデビルは木に登ることもできます。
年齢が上がってくると木登りができなくなっていくようですが、これは成獣が若い個体を食べてしまうことがあるのでそれから逃げるためへの適応だとの説もあります。
鋭い感覚
僕らはとっても鼻が利くんだよ
デビルの嗅覚はとても鋭く半径1 km四方の獲物の臭いを嗅ぎ分けることが可能です。
顔にある長いひげや鋭い聴覚も暗闇で獲物をさがすことに役立っています。
さらにデビルの目は白黒で見えているようで、暗闇で動く獲物を補足することに長けています。
ただし静止している物体を見ることは苦手のようです。